フィルムカメラの機能確認(PENTAX SP)牧野
こんにちはメンテナンスバイヤーの牧野冬樹(マッキー)です。
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機能確認の手順の動画が2つと
プリズム交換の動画が1つありますので
最後まで是非読んでくださいね。
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牧野を始めコミュニティのメンバーはフィルムカメラのメンテナンスを行ってそれを国内だけではなく海外へも販売しています。
そこで、どんな流れで作業しているのか約50年前のフィルムカメラ(牧野と同い年)PENTAX SPを例に作業の流れを説明したいと思います。
機能確認
まずは機能確認です。
ついつい清掃とかから始めたくなってしまうのですが根本的に故障しているモノ部品がなくなっているモノなど色々な状態でやってくるのがジャンク(難あり品)なのでまずはしっかりと機能の確認を行います。
まずは外観の凹みや傷をチェック次によくある症状のプリズムの腐食をチェックプリズムってのはファインダーの中のガラスの塊のこと要するに鏡としてうまく光を反射できなくなって黒い筋状に見えるものです。
これは今の所、交換以外に対処方法はないのですが現在再メッキの手順については実験中です。これで外観は、終了です。
シャッタースピード
次はシャッタースピードのチェック最高速と低速シャッタースピードの変化をチェックします。合わせて最高速(1/1000)でシャッター幕が全開になっているかチェックします。
10台に1台くらいは、全開になっていないものがありますのでこちらも忘れずにチェックしてくださいね。
あと、SPで目立つのがミラーアップしてしまっているものですがとりあえず洗浄剤を入れて回復するかをみます。
回復するようであれば再発防止のための処理を行います。
電池室
多くのモデルが電池室の腐食によりそもそも蓋が開かないものが多いのですが底板を外して腐食を取り除くことで蓋が開くようになるものもあります。
ここに電池を入れてマウント近くのスイッチを入れてファインダー内のメーターの針が振れるのを確認します。
ただ振れれば良いという訳ではなくシャッタースピードに応じて変化することを確認します。
たまに B(バルブ)の時だけ振れるものがありますがこれでは完動品というわけにはいきません。
まあメーターは、あくまでも明るすぎるとか暗すぎるとかの目安なので撮影には直接関係ないのですけどね。
フィルム室
フィルム室といえばモルト(スポンジ状の遮光材)ですね。
50年も経っているので例外無く加水分解でボロボロです。(例外はすでに張り替えられたもの)残骸をマイナスドライバーで綺麗に剥がして新しいモルトに交換します。細く切ったモルトをゴム系の接着剤で貼り付けます。
フタと本体との蝶番部分は植毛紙が貼られていますが信用できないので反対側に1ミリ厚のものを貼り付けます。
ミラー室
ミラーとスクリーンは、傷がつきやすいので綿棒などは使わず(面圧が高くて傷がつくから)大きめに畳んだレンズペーパーにシリコン入りの洗浄剤をつけて「点」ではなく「面」として清掃、ふきあげを行います。
ミラー受けのモルト交換こちらもマイナスドライバーなどで残骸を除去して新しいモルト2.5ミリ厚のものを貼り付けます。
以上がPENTAX SPの機能確認の流れです。
この流れは、他のカメラでもある程度応用できるので参考にしてください。
機能確認
プリズム交換動画
まとめ
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